研究課題/領域番号 |
19K06867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 鎌倉女子大学 |
研究代表者 |
保坂 和彦 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (10360215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | チンパンジー / 生活史 / 加齢 / 優劣 / 狩猟 / 肉食 / 食物分配 / アロマザリング |
研究成果の概要 |
マハレのチンパンジー雄12頭を観察した。特に壮年期28歳から後壮期32歳へと移行した同年齢雄2頭の行動変容に着目した。2頭とも、高順位から低順位に転落した後、優劣をめぐる闘争を避けるようになった。一方、3歳の孤児雄に積極的にアロマザリングを行うのが2頭とも観察された。父性的行動の希少事例として公表予定である。また、アカコロブス狩猟頻度に関する長期資料を分析したところ、アルファ位を経験した2頭の雄は優劣順位のピーク時に高頻度で獲物を捕獲していたのに対し、アルファ位を経験しなかった2頭の雄は年齢による捕獲頻度の変化は見られなかった。アルファ雄が肉分配を政治的に利用するという仮説との関連で考察した。
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自由記述の分野 |
生物人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性の生殖終了後生存期間(PRLS)の適応的進化を説明するおばあさん仮説は有名であるが、男性のPRLSの生物学的意味については議論がわかれている。ヒトに最も近縁の現生種チンパンジーの雄は資源保持能力及び繁殖成功のピークでもある25―29歳の壮年期を終えた後もしばしば50歳前後まで生存し続けることがあり、その適応的意味を考えることはヒトの男性のPRLSをめぐる議論に1つのヒントを与えることが期待できる。今回、幸運にも研究期間中に失脚したアルファ雄を含む「最盛期を終えた雄たち」が3歳の孤児雄にアロマザリングをする様子が観察されたことは、父性の起源を考察する材料の1つを提供することにもなるであろう。
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