研究課題/領域番号 |
19K06868
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
長岡 朋人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20360216)
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研究分担者 |
澤藤 りかい 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), ポスドク研究員 (50814612)
岡本 珠織 (藤澤珠織) 青森中央学院大学, 看護学部, 講師 (70595694)
澤藤 匠 (蔦谷匠) 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム), Young Research Fellow (80758813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生物考古学 / 日本人 / 古病理学 |
研究実績の概要 |
日本人のライフヒストリーの多様性を明らかにするために、中世から明治時代にかけての死亡年齢構成の変化をたどった。結果、中世から江戸時代にかけては高齢者の割合が多くなるものの明治初期には再びその割合が低下した。その変化は先行研究で指摘されていた明治時代の身長の低下と一致するものであった。明治時代の初期はおそらく海外からの新規感染症の流入や労働環境の悪化、都市への人口流入によって生活の質が劣悪であったことが示唆される。本研究成果は論文にまとめInternational Journal of Paleopathologyに掲載が決定した。 次に、大阪駅前の再開発で発見された梅田墓の人骨の調査を開始した。本遺跡は1700体の江戸時代人骨が出土している。保存状態は不良であるものの、江戸時代の都市の人々の生活を復元する第一級の資料である。現在、データの収集を進めている。 第三に、東北北部の中世から江戸時代にかけての人骨のデータの収集を始めた。青森県八戸市の根城跡の中世人骨を調査した。現時点での知見としては歯のサイズが小さく、遺伝的組成の違いが反映しているかもしれないと仮説を立てた。 第四に、生物考古学の方法論的基盤を確立するために、古病理学的指標や骨学的指標がどれだけ汎用性があるかを検討し始めた。地理的、時代的にまったく異なるペルーの先史時代の集団の人骨に対して、日本の古人骨の研究で培った方法(死亡年齢推定法、性別判定法、病気の鑑定)の導入を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの流行によって現地調査が滞った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの流行を見据えて、現地調査だけではなく資料の借用をしながら分析を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行で調査に行けなかったため残額が生じた。次年度の調査を増やしたい。
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