研究実績の概要 |
2020年度は25-54歳の36名の男性被験者について、①歩行速度(3,4,5,6km/h)、②傾斜角度(0,5,10,15%),③8分連続歩行(4km/h,10%)による疲労の影響,の3つの条件に付いて測定を行った。実験の安全性や被験者の負担軽減の観点からこれらの実験条件や測定指標は当初の計画よりも若干簡略化されている。一部条件を除き36名についてデータが得られた。 前年度に引き続き、2021年度も新型コロナ感染下での研究実施となったが、実験実施時期をずらすなどで対応し、実験を実施した。 2021年度では前年度から一部実験条件を変更し、歩行速度に2km/hを加え、連続歩行条件は前年度のデータから十分傾向が明らかになったことから今回は行わなかった。 48名の被験者を募集したが、測定できなかったものが一部あった為有効データは43名となった。昨年度のデータと合わせて69名のデータが取得できた。ほぼ計画通りのデータ取得ができたといえる。 現時点までに把握した結果の傾向であるが、歩行対称性・定常性指標に対して速度の影響が最も支配的であることが示された。傾斜角度の影響は限定的であり、また単純に傾斜が増えると上記指標が低下するわけではないことが示されている。また連続歩行による疲労の影響は殆ど見られず、歩行継続によってわずかながら向上する傾向も見られた。
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