研究課題/領域番号 |
19K06879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
大柿 哲朗 九州産業大学, 学術研究推進機構, 科研費特任研究員 (20101470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 季節変動 / 体重 / 血圧 / 生活環境・様式 / 労働 / 身体活動量 |
研究成果の概要 |
約20年前に自給自足的生活を営むネパールの農民では、農繁期に体重が有意に減少し、農閑期に回復するという季節変動を認めた。また血圧や血液の検査項目でも季節変化があった。現在でも、季節変動が認められるかどうかを検討した。22ヶ月間にわたり1ヶ月毎に測定された体重は、50歳代男性では農繁期(6月から9月)に有意な減少が認められが、その他の年代群では有意な減少は散見される程度であった。血圧や脈拍数などにも一貫した有意な変動は認められなかった。そのため季節変動はもはや消滅したか消滅の途上にあった。それは移動や運搬手段、労働内容の軽減等による身体活動量の減少によると考えられた。
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自由記述の分野 |
生理人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20年前の研究では、体重・血圧・血液性状などに明らかな季節変動を観察した。しかし20年後の今回の調査研究では、明確な季節変動は確認できず、季節変動は消滅したか、その変動幅は極めて小さくなり、消滅の過程にあると考えられた。それは、道路の整備に伴う移動や物資運搬の手段や換金作物による現金収入の増加を契機とした、LPガスや簡易水道の普及による水や薪の運搬、耕作手段や農業内容の変化、大型家畜の軽減によるエサや堆肥用の草・木の葉の運搬量の減少などの生活様式の変化、特に労働の軽減にあると思われた。このことから、この地域における身体状況の季節変動には身体活動量が大きく関わってきたことを明らかにできた。
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