本研究では、プリオン様伝播を呈するタウ凝集形成細胞モデルを構築し、動物実験の前段階としての治療薬評価系を確立した。また、独自のタウ凝集伝播動物モデルの構築のため、新規ノックイン型タウ発現マウスモデルを作出し凝集線維注入による病態惹起モデルを開発した。一方で、タウ毒性メカニズムの一端を明らかにするため、タウ病理と神経炎症の関連性についてマウスモデルにおける解析を進め、タウ病態形成早期におけるミクログリアの動態変化を明らかにした。神経細胞自律的あるいは細胞非自律的な毒性制御メカニズムを探る上で、タウ病態を呈する細胞・動物モデルは必須であり、現在、これらのモデルを用いた治療標的の探索を進めている。
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