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2021 年度 実績報告書

末梢神経系に存在するマクロファージの起源と機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06904
研究機関名古屋大学

研究代表者

小西 博之  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90448746)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードマクロファージ / ミクログリア / 末梢神経 / 神経損傷
研究実績の概要

神経系のマクロファージとして中枢神経系に存在するミクログリアが有名であるが、末梢神経内にもマクロファージは存在している。ミクログリアは起源が卵黄嚢由来マクロファージ前駆細胞であることが明らかとなっているが、研究開始当初は末梢神経内マクロファージの起源は明確に示されていなかった。また、役割に関しても、ミクログリアの機能は近年急速に明らかになってきているのに対し、末梢神経内マクロファージの機能は謎であった。そこで、本研究では末梢神経内マクロファージの起源と機能を明らかにすることを目指した。
起源に関しては、ミクログリアと同様に胎生期マクロファージ前駆細胞由来であるという結果が得られていたが、研究途中で他グループから論文発表があったため、研究期間後半は機能解析に注力した。ミクログリアに発現しないが末梢神経内マクロファージには発現する遺伝子Mrc1のプロモーターでCreERが発現するマウスを用い、末梢神経内マクロファージ特異的な遺伝子改変技術を確立した。さらに、末梢神経内マクロファージを特異的に除去する実験系も樹立した。最終年度はそれらの操作技術を用い、末梢神経内マクロファージの機能解析を進めた。末梢神経損傷後のワーラー変性において、末梢神経内マクロファージは、血中から浸潤してくる単球由来マクロファージと細胞サイズや細胞局在が異なっていた。また、その二種のマクロファージの貪食能が異なるという結果を得た。さらに、末梢神経内マクロファージは非損傷時でも髄鞘を貪食していたため、末梢神経内の環境維持に働くことが示唆された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Phagocytic astrocytes: Emerging from the shadows of microglia2022

    • 著者名/発表者名
      Konishi Hiroyuki、Koizumi Schuichi、Kiyama Hiroshi
    • 雑誌名

      Glia

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1002/glia.24145

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Morphology, localization, and postnatal development of dural macrophages2021

    • 著者名/発表者名
      Sato Takehito、Konishi Hiroyuki、Tamada Hiromi、Nishiwaki Kimitoshi、Kiyama Hiroshi
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research

      巻: 384 ページ: 49~58

    • DOI

      10.1007/s00441-020-03346-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A mouse model of microglia-specific ablation in the embryonic central nervous system2021

    • 著者名/発表者名
      Li Chenmin、Konishi Hiroyuki、Nishiwaki Kimitoshi、Sato Katsuaki、Miyata Takaki、Kiyama Hiroshi
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 173 ページ: 54~61

    • DOI

      10.1016/j.neures.2021.06.002

    • 査読あり
  • [学会発表] ミクログリアを含めた神経系マクロファージのサブタイプ2022

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] Interplay of microglia and astrocytes in phagocytosis2022

    • 著者名/発表者名
      Konishi Hiroyuki
    • 学会等名
      The third international symposium on brain science: University of Yamanashi
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ミクログリアと中枢神経系境界部に存在するマクロファージの相違点2021

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第44回日本神経科学大会
  • [学会発表] 胎児ミクログリア機能を研究するためのミクログリア特異的アブレーションシステム2021

    • 著者名/発表者名
      李 晨旻、小西 博之、西脇 公俊、佐藤 克明、宮田 卓樹、木山 博資
    • 学会等名
      第44回日本神経科学大会
  • [学会発表] 貪食におけるミクログリアとアストロサイトの連携2021

    • 著者名/発表者名
      小西博之、木山博資
    • 学会等名
      第64回日本神経化学会大会
  • [学会発表] 発達期白質のMac2陽性細胞の分布2021

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Ishibashi, Takei Yuika, Ohshima Shiho, Hashimoto Kouichi, Konishi Hiroyuki, Kiyama Hiroshi, Baba Hiroko
    • 学会等名
      第64回日本神経化学会大会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://www.med.nagoya-u.ac.jp/Anatomy2/konishi.htm

  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/read0138943

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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