研究課題
基盤研究(C)
海馬歯状回では発達後も顆粒細胞が産生され、神経回路の再編が行われている。生体海馬神経新生といわれるこの現象は、環境やストレス、薬物などの外界 (外部) 情報の影響を受けることが知られている。本研究では、抗認知症薬メマンチンに着目した研究を行い、メマンチンの認知機能改善作用には、コンドロイチン硫酸量の増加を作用機転とする海馬神経新生の促進が関与している可能性を明らかにした。
神経解剖学
海馬神経新生の増加は、認知症・うつ病などの治療に応用できる。本研究の結果は、神経新生の視点からメマンチンの作用機序を明らかにしたものであり、超高齢化社会において社会生活を営む上で必要な脳機能の維持やメンタルヘルス向上のための基礎的な知見となりうる。