哺乳類の脳では学習・記憶などの刺激頻度依存的に樹状突起スパインの消長が起こり,この変化が脳可塑性に重要と考えられている。Inka2は海馬や大脳皮質ニューロンに限局して発現し、アクチン骨格再編成を促進する活性がある。Inka2の生体機能を明らにするため、Inka2 KOマウスを作製解析した結果、大脳皮質ニューロンの樹状突起スパインの形態異常、密度の低下が出生後早期から見られた。生化学的な解析結果らInka2はRho GTPaseシグナルの主要なエフェクターであるPAK4に結合してそのキナーゼ活性を抑制することによりニューロンのアクチン骨格再編成とシナプス形成を制御することが明らかとなった。
|