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2022 年度 実績報告書

スパイン形成の新規制御因子LMTK1の分子機能と疾患に関連した研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K06942
研究機関東京都立大学

研究代表者

久永 眞市  東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (20181092)

研究分担者 飯島 香奈絵 (安藤香奈絵)  東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (40632500)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード神経細胞 / 小胞輸送 / エンドソーム / LMTK1 / アルツハイマー病 / BACE1 / APP
研究実績の概要

神経細胞は軸索および樹状突起という2種の長い突起を介して神経回路を形成し、記憶、学習、認知など高次脳機能を可能にしている。軸索や樹状突起の末端には、他の神経細胞との情報交換に機能する膜タンパク質などが配置されている。それらは主に神経細胞体で生合成され、小胞輸送によって突起内を機能する場所へと運ばれていく。正常な神経活動を維持するためには、シグナル分子などを遠方の正しい場所へ、必要な量だけ輸送することが必要である。それにはエンドソームなどの小胞輸送が関わっている。小胞の輸送は低分子量GTPaseであるRabによって制御されている。我々はRab11というリサイクリングエンドソームの輸送を制御する因子LMTK1を見つけ研究を行ない、LMTK1は神経細胞の軸索、樹状突起、スパインの形成、維持に必要であることを示した。更に、アルツハイマー病の原因因子として知られるアミロイドβ前駆体タンパク質(APP)の切断を行うBACE1の細胞内輸送に影響を与えることを見つけ昨年報告した。LMTK1の変異は神経変性疾患のリスク要因であることも報告されているが、それはBACE1の輸送障害を介しているのかもしれない。本年度は海外の共同研究者が見つけた発達障害に関わる遺伝子変異についても解析し、その変異はLMTK1の軸索突起伸長に僅かではあるが影響を与えることを見つけた。LMTKにはLMTK1~3までのアイソフォームが存在する。我々は主にLMTK1についての研究を行ってきたが、LMTKに関する初めての国際会議(virtual meeting)が2023年に開催され、LMTK2やLMTK3は発がんに関わっていることが報告された。発がんの仕組みは不明であるが、LMTKは細胞内の小胞輸送を介してさまざまな疾患に関わっており、それらの治療対象にもなる可能性が示されている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Lemur tail kinase 1 (LMTK1) regulates the endosomal localization of gamma-secretase BACE1.2022

    • 著者名/発表者名
      Komaki, K., Takano, T., Sato, Y., Asada, A., Ikeda, S., Yamada, K., Wei, R., Huo, A., Saito, T., Ando, K., Murayama, S., Araki, W., Kametani, F., Hasegawa, M., Iwatsubo, T., Tomomura, M., Fukuda, M., Hisanaga, S.
    • 雑誌名

      J. Biochem.

      巻: 170 ページ: 729-738

    • DOI

      10.1093/jb/mvab094

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Map7D2 and Map7D1 facilitate microtubule stabilization through distinct mechanisms to control cell motility and neurite outgrowth.2022

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi, K., Sakamoto, Y., Uezu, A., Yamamoto, H., Ishiguro, K., Shimamura, K., Taro Saito, T., Hisanaga, S., Nakanishi, H.
    • 雑誌名

      Life Sci Alliance

      巻: 5 ページ: e202201390

    • DOI

      10.26508/lsa.202201390

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Valproic acid-induced anxiety and depression behaviors are ameliorated in p39 Cdk5 activator-deficient mice.2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, M., Takasugi, T., Kawakami, A., Wei, R., Ando, K., Ohshima, T., Hisanaga, S.
    • 雑誌名

      Neurochem Res.

      巻: 47 ページ: 2773-2779

    • DOI

      10.1007/s11064-022-03642-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cdk5-mediated JIP1 phosphorylation regulates axonal outgrowth through Notch1 inhibition.2022

    • 著者名/発表者名
      Im, D. S., Joselin, A., Svoboda, D., Takano, T., Rousseaux, M. W. C., Callaghan, S., Slack, R. S., Hisanaga, S., Davis, R. J., Park, D. S., Qu, D.
    • 雑誌名

      BMC Biol.

      巻: 20 ページ: 115

    • DOI

      10.1186/s12915-022-01312-4

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] In vivo analysis of the phosphorylation of tau and the tau protein kinases Cdk5-p35 and GSK3beta by using Phos-tag SDS-PAGE.2022

    • 著者名/発表者名
      Hisanaga, S., Krishnankutty, A., Kimura, T.
    • 雑誌名

      J. Proteomics,

      巻: 262 ページ: 104591

    • DOI

      10.1016/j.jprot.2022.104591

    • 査読あり
  • [学会発表] Cellular and in vivo function of LMTK1 in mouse neurons2023

    • 著者名/発表者名
      Hisanaga, S.
    • 学会等名
      1st LMTK International Virtual Meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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