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2020 年度 実施状況報告書

Visual experience-dependent genetic and functional changes in mouse auditory cortex

研究課題

研究課題/領域番号 19K06947
研究機関創価大学

研究代表者

川井 秀樹  創価大学, 理工学部, 教授 (90546243)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードクロスモード可塑性 / 聴覚皮質 / 視覚喪失 / 遺伝子発現 / 内在的膜特性 / 神経細胞興奮性
研究実績の概要

研究の目的の一つである「暗所飼育での視覚喪失による聴覚皮質第4層ニューロンの電気生理学的特徴、形態的特徴、および遺伝子発現の変化」について実験を行った。電気生理学的記録法を用いて、第4層ニューロンの内在的特性と活動電位の発火特性について検証を行ったところ、盲目による影響は観察されなかった。これは、先行研究で第4層での応答増強が報告されていることから、その機序としてニューロンの内在的特性や興奮性の変化が関与していないことを示唆する。しかし、以前の当研究室の実験データとは異なる結果が出たため、更なる実験が必要になる。また、ニューロンの形態への影響を調べる実験に着手し、染色法の確立を終え、解析方法の確立に取り組んだ。一方、単一ニューロンにおける遺伝子発現変化をsingle cell RNA-seqで解析するための準備実験を行った。単一ニューロンでのRNA採取及びcDNAライブラリーの作成を行い、純度の同定を行ったが、純度が低いことから、cDNAライブラリー作成の手法の変更などを行った。またRNA採取自体が難しくなり、トラブルシューティングが必要になった。原因の一つとして、マニピュレーターの故障が考えられ、新たなマニピュレーターを購入した。これらの状況に加え、コロナ禍であることなどから、継続した実験が難しくなり、対応をせざるを得ない状態になったため、いずれの実験も途中段階にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

進捗状況が遅れている理由は、装置の故障や、実験手法の確立のためのトラブルシューティングに加え、コロナ禍による実験時間の減少が考えられる。

今後の研究の推進方策

電気生理学的実験及び単一ニューロンでの遺伝子発現変化の研究においてには、集中的な実験時間と、技術的スキルの獲得が必要と考えるため、来年度への延長を視野に、今年度は、ニューロンの形態の解析方法の確立と、トランスクリプトーム解析方法の確立に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、コロナ禍による実験の進行の遅れと、実験のトラブルシューティングに時間がかかり、使用しなかった経費が生じたため。次年度はトラブルシューティングの継続と解析手法の確立に必要であれば使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Nicotinic regulation of sound-evoked responses in mouse auditory cortex: A study using transcranial flavoprotein autofluorescence.2021

    • 著者名/発表者名
      中西 誠、川井秀樹
    • 学会等名
      The 44th MidWinter Meeting, Association for Research in Otolaryngology
    • 国際学会
  • [学会発表] Nicotinic regulation of spatiotemporal and intensity changes of tone-evoked responses in mouse auditory cortex.2021

    • 著者名/発表者名
      中西 誠、川井秀樹
    • 学会等名
      The 98nd Annual Meeting of the Physiological Society of Japan

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公開日: 2021-12-27  

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