特異な反応性をもつ有用な合成中間体であるアレンの触媒的不斉合成法として、0価パラジウム触媒を用いた共役エンインに対するプロ求核剤(H-Nu)の1,4-付加反応を開発した。これまでに、ビニル基で置換された内部アルキンおよびエチニル基で置換された内部アルケンを、軸不斉または隣接した中心不斉をもつ光学活性アレンへと変換することに成功している。ビニル基末端の水素の一つを重水素標識した内部アルキンのヒドロアルキル化反応により、前者の基質についてはシン付加が進行し、反応中間体がアンチ選択的なヒドロパラデーションにより生じていることが示唆された。
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