研究実績の概要 |
2020年度の研究実績である、β,β-ジマンノシルオキシステアレート、α,α-ジマンノシルオキシステアレート、及びβ-モノマンノシルオキシステアレート誘導体をグリセロールにエステル化した天然型Mincleリガンド#44-2のミミック体のNFAT-GFPアッセイによるMincleリガンド活性では、tri-(β-D-mannnosyl-stearyl)-glycereolとtri-(α,α-dimannosyl-stearyl)-glycerolに、ポジティブコントロールであるTDB(trehalose-6,6-dibehenate)より強力なMincleリガンド活性が確認されたことから、2021年度は、コアアルコールをD-マンニトールとした天然型糖脂質#44-2ミミック体2種[1,3,4‐tri‐(di‐α‐D‐mannosyl‐stearyl)‐D‐mannitol及び3,4‐di‐(di‐α‐D‐mannosyl‐stearyl)‐D‐mannitol]の合成を行った。これら2種の糖脂質について、について、研究協力者の山崎教授(大阪大学微生物病研究所)の指導の下、ヒト型及びマウス型Mincle受容体発現細胞株を用い、NFAT-GFPアッセイを行いMincleリガンド活性を評価した。その結果、2種の糖脂質はヒト型Mincleに対してより選択的なリガンド活性を示し、その強さはTDBより強力であったことから、マンニトールをコアアルコールとしたグリコシルオキシステアリルマンニトールはアジュバントとして十分な資質を有し、今後、ワクチン開発の新しいアジュバントとして開発されることが期待される。
|