多官能基化された多環式テルペノイドは多様な生理活性を有し,医薬品の開発を目的として脚光を浴びている.複雑な炭素骨格を有するテルペノイドは,タキソールを始め医薬品として用いられている化合物が数多く存在し,その全合成経路の開発と類縁体合成に基づいた構造活性相関に関して活発に研究がなされている.このような多環式テルペノイドの効率的かつ独創的な全合成経路の開発における学術的な意義は高い.さらに,極力保護基を用いず全合成の効率性を高めれば,学術的な意義はより高まる.標的化合物が興味深い生理活性を有する場合,構造活性相関の解明を目的とした類縁体合成は,メディシナルケミストリーの観点からも重要である.
|