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2021 年度 実績報告書

伝統薬成分カドコッシラクトンAの全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K06999
研究機関東北大学

研究代表者

山越 博幸  東北大学, 薬学研究科, 助教 (30596599)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードラジカル環化反応 / 青色LED / カドコッシラクトン / 酸化型テルペノイド / 全合成
研究実績の概要

前年度に合成したC8、C9位間に二重結合を持つラクトンから、DE環フラグメントへの変換に着手した。まず、水素化ホウ素リチウムを用いてラクトンを還元して1,4-ジオールを得た。第二級のアリルアルコールを二酸化マンガンで選択的に酸化した後、第一級アルコールを粗生成物のままメシラートへと変換した。分子内アルキル化によるシクロプロパンの構築では、望まないOアルキル化が競合した。種々検討の結果、塩基としてDBUを用いて加熱した場合に望みのシクロプロパンを収率53%で得ることができた。カルボニル基をLuche還元した後、水素雰囲気下、白金触媒を作用させると、オレフィンの水素化とシクロプロパン環の加水素分解が順次進行し、C14位にメチル基を持つアルコールが得られた。最後に、C8位アルコールをDess-Martin酸化することで、カドコシラクトン A のDE環フラグメントの合成を達成した。
一方、市販の3-ブチン-1-オールを出発原料として、B環フラグメントの合成を行った。アルコールのPMB保護と一炭素増炭を行った後、アルキンのE選択的還元、Sharpless不斉エポキシ化、α-クロロエポキシドの二重脱離反応などを経て、光学活性なプロパルギルアルコールに導いた。続いて、第一級アルコールの保護基をPMB基からベンゾイル基に架け替えた。プロパルギルイミダートを用いて第二級アルコールをエーテルに変換後、ジインの還元的環化によるB環形成を経て、B環フラグメントの合成を完了した。
収率および工程数に改善の余地を残すが、本研究ではカドコッシラクトンAの二つのフラグメントの合成に成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Studies on the Syntheses of Bioactive Natural Products Having a Fused Ring System Based on Novel Skeletal Construction Methods2021

    • 著者名/発表者名
      Yamakoshi Hiroyuki
    • 雑誌名

      YAKUGAKU ZASSHI

      巻: 141 ページ: 1087~1094

    • DOI

      10.1248/yakushi.21-00126

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] カドコッシラクトンAの合成研究~ラジカルカスケード反応によるDE環フラグメントの合成~2021

    • 著者名/発表者名
      ◯野口公寛、斎藤彩有里、秋山敏毅、山越博幸、中村精一
    • 学会等名
      第50回複素環化学討論会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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