近年,低分子医薬品と抗体医薬品の利点を併せ持つ中分子医薬品の開発が盛んに行われており,中でもペプチドに注目が寄せられている。ペプチド医薬品を開発するためには,ペプチドの効率的かつ環境調和性の高い化学合成手法が不可欠である。私たちが今回開発したジボロン酸無水物触媒を用いたペプチド結合形成反応は,入手容易なアミノ酸基質から直截的かつ位置選択的に所望とするペプチドを化学合成するために有用であった。本研究成果は将来的に,新たなペプチド医薬品候補化合物の探索やペプチド医薬品の低コスト化に貢献できる可能性を秘めている。
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