うつ病などの精神疾患は現在の治療薬を用いて完全寛解させることは困難であり、新規作用機序を有する治療薬の開発が望まれている。活性発現に極性基が必須であるため脳移行性が確保できていない創薬標的は複数存在しており、極性基を保持しつつ脳移行性を向上させる手法が確立されれば新規精神疾患治療薬の効率的創出につながる。本研究では、脳移行性が高い抗ヒスタミン薬の構造とのハイブリッドにより、高い脳移行性と抗うつ活性を示すHDAC6阻害剤KH-259を見出した。KH-259は新規作用機序に基づく抗うつ薬になることが期待される。また本手法は脳移行性に課題がある創薬標的の創薬への応用が期待できる。
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