• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

選択的核内受容体分解誘導剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07009
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

正田 卓司  国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (60435708)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードエストロゲン受容体 / SERD
研究実績の概要

【目的・背景】エストロゲン受容体(以下ER)は,核内受容体スーパーファミリーのうちの1つでありERαとERβの2つのサブタイプが存在する.ERαとERβは組織分布が異なっており,特にERβはその生理機能は不明な点が多く,ERβを標的とした薬剤はまだ開発されていない.近年,ERβがトリプルネガティブ乳がん(以下TNBC)の増殖に関与している可能性が示唆された.我々はこれまでに,ERαのアンタゴニストに長鎖アルキル基を導入した化合物をデザイン・合成し,これらの化合物がERαの分解誘導剤として機能することを報告している.そこでその分子デザインを応用し,本研究ではTNBCの新規治療薬を目指して,ERβ選択的分解誘導剤の開発を目的とした.【方法】ERβのリガンドであるWAY-202196に長鎖アルキル基を導入した化合物WC10をデザインし,全7ステップで合成した.その結合親和性をPolarScreen ER Competitor Assay Kitを用いて評価した.検出には蛍光偏光法を用い,IC50を算出した.計算化学ソフトMOEのドッキングシュミレーションを用いてWC10とERβの結合様式を予測した.【結果・考察】WC10のERに対するIC50は(6.88 nM for ERβ,286nM for ERα)であった.また,WAY-202196とERβのX線結晶構造解析の結果(PDB ID: 1YYE)とMOEの結果を比較すると,WC10は水素結合が減少(2→1)し,ナフタレン環が反転していることが示唆された.以上のことから,WC10のERサブタイプ選択性とERβとの結合様式を明らかとした.今後は細胞を用いた活性評価を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

化合物としてはいくつかのバリエーションを作成し,結合能を検討した.その中でWC10が有望であることを見出した.細胞を持ちた評価系の構築が進んでいる.

今後の研究の推進方策

これまでのデータを取りまとめ,論文化を行う.

次年度使用額が生じた理由

リコンビナントER強制発現系の構築および維持のため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 長鎖アルキル基を有する選択的エストロゲン受容体分解誘導剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      津田萌菜,正田卓司,平田尚也,諫田泰成,井上英史,出水庸介
    • 学会等名
      第65回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] 長鎖アルキル基を有するエストロゲン受容体β選択的分解誘導剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      津田萌菜,正田卓司,平田尚也,諫田泰成,井上英史,出水庸介
    • 学会等名
      日本薬学会第142回年会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi