• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

中性子線の先駆的利用によるBRD4選択的阻害剤の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K07012
研究機関富山大学

研究代表者

横山 武司  富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50524162)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードbrd4 / 中性子結晶構造解析 / 阻害剤 / X線結晶構造解析
研究実績の概要

Bromodomain-containing protein 4 (BRD4) は、そのブロモドメインがヒストンのアセチル化リジンを認識することによって転写調節を行うタンパク質である。多くのがん遺伝子の転写がBRD4によって制御されていることから、BRD4を阻害する化合物は新しい抗がん剤として有用であると期待されている。本研究課題では、水素を容易に観測できる中性子結晶構造解析と熱力学的パラメーターを決定できる等温滴定カロリメトリーを用いた新しい手法で選択的にBRD4を阻害する化合物を特定することを目的とする。令和二年度は中性回折データ収集を終えたBRD4-コルヒチン複合体結晶構造の解析、BRD4-JQ1およびBRD4-コルヒチン、昨年度やり残したイソリキチリゲニン(ISL)誘導体の等温滴定カロリメトリーを行った。残念ながらJQ1およびISL複合体の結晶は大きく育成できず (0.3 mm3程度)、良好な中性子回折データを得るのが困難であると考えた。BRD4-コルヒチン複合体の中性子結晶構造だけでも水素に特化したファーマコフォアを構築できると考え、今年度に予定していたドッキングシミュレーションによるバーチャルスクリーニングを予定通りに開始した。およそ10万化合物を含む仮想化合物ライブラリに対するドッキングスクリーニングが現在も進行中である。一方で、ドッキングスコア順に化合物を評価し、中性子解析で得られたファーマコフォアモデルとの合致度を評価する方法を構築している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた中性子結晶構造解析のうち、BRD4-コルヒチンのみが完了しており、全てが順調というわけではない。一方で、等温滴定カロリメトリーとドッキングスクリーニングは当初予定していた通りに実施することができた。中性子結晶構造データが少ないことはファーマコフォアの精度に影響する可能性はあるが、本研究を遂行するという点では本質的な問題ではないと考え、全体の進捗としては「おおむね順調に進展している。」とした。

今後の研究の推進方策

おおむね計画通りに進展しているため、引き続き研究計画書のとおりに実施する。

次年度使用額が生じた理由

「次年度使用額(B-A)」欄が「0」より大きいのは端数であり、使用計画に変更はない。この額は次年度に使用するバッファー試薬等の購入に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of death-associated protein kinase 1 in complex with the dietary compound resveratrol2021

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama Takeshi、Suzuki Ryoya、Mizuguchi Mineyuki
    • 雑誌名

      IUCrJ

      巻: 8 ページ: 131~138

    • DOI

      10.1107/S2052252520015614

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Transthyretin Amyloidogenesis Inhibitors: From Discovery to Current Developments2020

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama Takeshi、Mizuguchi Mineyuki
    • 雑誌名

      Journal of Medicinal Chemistry

      巻: 63 ページ: 14228~14242

    • DOI

      10.1021/acs.jmedchem.0c00934

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neutron diffraction experiment with the Y116S variant of transthyretin using iBIX at J-PARC: application of a new integration method2020

    • 著者名/発表者名
      Kusaka Katsuhiro、Yokoyama Takeshi、Yamada Taro、Yano Naomine、Tanaka Ichiro、Mizuguchi Mineyuki
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section D Structural Biology

      巻: 76 ページ: 1050~1056

    • DOI

      10.1107/S2059798320012498

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural and thermodynamic analyses of interactions between death-associated protein kinase 1 and anthraquinones2020

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama Takeshi、Wijaya Peter、Kosaka Yuto、Mizuguchi Mineyuki
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section D Structural Biology

      巻: 76 ページ: 438~446

    • DOI

      10.1107/S2059798320003940

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi