これまで、膜貫通ヘリックスのアミノ酸配列に着目した研究、二分子膜の脂質組成に着目した研究はそれぞれ行われてきたが、生理的状態を考えると当然研究すべきにもかかわらず、両者の影響を系統的に測定し統合的に解釈するアプローチは皆無だった。本研究では定量性や一般性に優れ、膜内のヘリックス安定性、自己会合力を熱力学量や速度定数として計測できるモデル実験系を活用し、膜貫通ヘリックスの会合・構造のアミノ酸配列・コレステロール依存性のルールを解明した。これまで測定法の欠如、重要性の認知度不足などから無視されることも多かった、脂質による膜タンパク質制御メカニズムの一端を解明できた。
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