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2021 年度 研究成果報告書

ボロン酸と細胞の動的共有結合を利用した新たなDDS概念の創出

研究課題

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研究課題/領域番号 19K07015
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47020:薬系分析および物理化学関連
研究機関城西大学

研究代表者

江川 祐哉  城西大学, 薬学部, 教授 (90400267)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードボロン酸 / 細胞製剤 / 過酸化水素 / 徐放性 / 刺激応答性 / 血糖値 / 糖尿病 / インスリン
研究成果の概要

本研究課題では、細胞への動的共有結合を利用した、新たなDDSの概念の構築を試みた。細胞への動的共有結合を可能にするのはボロン酸である。ボロン酸は糖類と結合する特性を持ち、細胞表面糖鎖(シアル酸)とも強く結合する。ボロン酸を化学修飾した薬物を投与すると、赤血球表面糖鎖などに結合する。この結合は動的共有結合であるため、解離-再結合を繰り返しながら徐々に薬物が血中に放出されることで、薬効が持続化すると考えられる。本研究課題では、ボロン酸修飾インスリンの徐放化製剤、また、ボロン酸と細胞表面糖鎖との結合を切断することを特徴とする血糖値応答性DDSを提案することができた。

自由記述の分野

物理系薬学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究成果の意義は、細胞表面を薬物保持担体としてみなす「細胞製剤学」という新たなDDSの概念を提唱できた点にある。ボロン酸が細胞表面糖鎖に結合する特性を利用し、ボロン酸修飾インスリンを細胞表面に保持させることで、血糖降下作用が持続する例を示すことができた。また、グルコースオキシダーゼを併用することで血糖値応答性インスリン製剤へ展開する例も示せた。これらの研究成果は注射液を投与するだけのシンプルな方法で実施できたが、これは細胞を製剤の構成要素として捉えるユニークな「細胞製剤学」という概念が可能にしている。シンプルであるため制約が少なく、実現性の高い刺激応答性DDS研究が可能になると期待される。

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公開日: 2023-01-30  

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