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2019 年度 実施状況報告書

MS/MSシミュレーションによる、修飾部位網羅的タンパク質リン酸化定量法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07017
研究機関名城大学

研究代表者

今西 進  名城大学, 薬学部, 准教授 (00757502)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード質量分析 / 定量プロテオミクス / タンパク質リン酸化 / シミュレーション / スペクトルライブラリ
研究実績の概要

タンパク質リン酸化の部位特異的かつ網羅的な定量法の開発を行った。フィンランドTurku大学との共同研究により開発したリン酸化シミュレーション用ソフトウェアSimPhosphoを応用し、データ非依存的測定法であるSWATH測定によるリン酸化ペプチドの定量解析法を検討した。
TripleTOF 6600を用い、合成リン酸化ペプチドのSWATH測定を行った。また、合成リン酸化ペプチドを酵素的に脱リン酸化し、データ依存的測定法であるIDA測定を行った。データベース検索ソフトウェアX!TandemによりIDAデータから脱リン酸化ペプチドを同定し、それに対しSimPhosphoを用いてリン酸化シミュレーションを行った。それらシミュレートされたデータのライブラリを定量解析ソフトウェアSkyline上で構築し、リン酸化ペプチドのSWATHデータを解析した。
その結果、シミュレーション後にデータフォーマットを一部変更することにより、Skylineの特定バージョンで解析が可能であることが確認された。他のソフトウェアと比べ多くのリン酸化ペプチドを検出できたが、リン酸化部位の誤同定が多数含まれていた。そこで、Skylineにおける種々の解析条件を検討したところ、SWATHデータからある程度高精度にリン酸化部位を検出することができた。
今後さらに解析条件を検討をしていくために、リン酸化ペプチドのモデルデータを複数取得するための試料調製をすすめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスに対する感染拡大対策のため、大学キャンパス内での研究が中止となった。そのため、進行中であった試料調製、測定、解析等を途中で止めなければならなかった。

今後の研究の推進方策

SimPhosphoとSkylineの互換性をさらに検討しつつ、SWATHデータからより高精度にリン酸化部位を検出できるよう、Skylineの解析条件を最適化する。さらに、その有効性を検証するため、複数のモデルデータを取得する。また、Skyline以外のSWATHデータ解析ソフトウェアとSimPhosphoの互換性も検討していく。

次年度使用額が生じた理由

(理由)新型コロナウイルスに対する感染拡大対策のため、大学キャンパス内での研究が中止になり、参加予定であった学会も開催中止となった。主にこれらの理由により、次年度使用額が生じた。

(使用計画)次年度使用額は、研究の遅れを取り戻すため、主に消耗品の購入に使用する予定である。また、昨年度に学会発表を予定していた研究成果および新たな成果を積極的に発表するため、国内・海外旅費にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University of Turku(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      University of Turku
  • [国際共同研究] University of Zurich(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      University of Zurich
  • [国際共同研究] University of Pennsylvania(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Pennsylvania
  • [雑誌論文] Phosphoproteome and drug-response effects mediated by the three protein phosphatase 2A inhibitor proteins CIP2A, SET, and PME-12020

    • 著者名/発表者名
      Kauko, Imanishi, Kulesskiy, Yetukuri, Laajala, Sharma, Pavic, Aakula, Rupp, Jumppanen, Haapaniemi, Ruan, Yadav, Suni, Varila, Corthals, Reimand, Wennerberg, Aittokallio, and Westermarck
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 295 ページ: 4194-4211

    • DOI

      10.1074/jbc.RA119.011265

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] リン酸化シミュレーションソフトウェアSimPhosphoを用いたリン酸化部位特異的SWATHデータ解析法の開発2020

    • 著者名/発表者名
      早川直希、平野裕大、高井彩乃、岩城圭一郎、Veronika Suni、今西進
    • 雑誌名

      名城大学総合研究所紀要

      巻: - ページ: -

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Optimization of TripleTOF spectral simulation and library searching for confident localization of phosphorylation sites2019

    • 著者名/発表者名
      Ayano Takai, Tomoya Tsubosaka, Yasuhiro Hirano, Naoki Hayakawa, Fumitaka Tani, Pekka Haapaniemi, Veronika Suni, and Susumu Y. Imanishi
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 14 ページ: e0225885

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0225885

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] リン酸化シミュレーションソフトウェアSimPhosphoを用いたリン酸化部位特異的SWATHデータ解析法の検討2020

    • 著者名/発表者名
      早川直希、平野裕大、高井彩乃、岩城圭一郎、Veronika Suni、今西進
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] PRMによるシナプス後部タンパク質ゲフィリンの日内リン酸化変動解析2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川紗希、Yuan-Chen Tsai、後藤彩花、平野裕大、Shiva Tyagarajan、今西進
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] Quantitative proteomics of tuberculosis lung FFPE tissue by SWATH analysis2019

    • 著者名/発表者名
      Amon Suzuki, Yasuhiro Hirano, Mina Kawamura, Akihiro Ishizu, and Susumu Y. Imanishi
    • 学会等名
      67th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantitative proteomics of lethal thrombosis model mice and vascular endothelial cells by SWATH analysis2019

    • 著者名/発表者名
      Hinano Tasaki, Mina Kawamura, Seiya Kawahara, Fumihiko Nagano, Ayaka Goto, Kei-ichiro Iwaki, Mai Sakai, Fumitaka Tani, Mie Shimizu, Tomohiro Mizuno, Ken-ichi Harada, and Susumu Y. Imanishi
    • 学会等名
      67th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics
    • 国際学会
  • [学会発表] SWATH測定による致死性血栓症モデルマウスの定量プロテオミクス2019

    • 著者名/発表者名
      河村美奈、田崎ひなの、川原聖也、酒井麻衣、長野文彦、岩城圭一郎、谷郁孝、後藤彩花、水野智博、清水美衣、原田健一、今西進
    • 学会等名
      第65回日本薬学会東海支部大会
  • [学会発表] 統合失調症様モデルマウスにおけるクロザピン反応性タンパク質の同定2019

    • 著者名/発表者名
      角田千佳、吉見陽、岩城圭一郎、後藤彩花、内田美月、伊藤貴博、長谷川章、北垣伸治、尾崎紀夫、今西進、野田幸裕
    • 学会等名
      第65回日本薬学会東海支部大会

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公開日: 2021-01-27  

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