研究課題/領域番号 |
19K07034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
古林 呂之 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00399156)
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研究分担者 |
田中 晶子 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (30824320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 経鼻投与 / がんペプチドワクチン / 頸部リンパ節 / 粉末投与 / WT1ペプチド |
研究成果の概要 |
がんペプチドワクチン(WT1p)のマウス鼻腔内投与において、頸部リンパ節(CLN)移行の優位性の指標(DTI)が優位性の基準となる1を大きく超え(8.1)、CLN総移行量に占める鼻粘膜ルートの寄与率(DTP)は87.7%となり、WT1pのCLN送達における経鼻ルートの有用性が示された。WT1p溶液を鼻腔内投与した後の免疫活性評価では、interferon γの上昇傾向が観察されたが、より高い免疫活性化を得るために、WT1pの粉末を鼻腔内投与し、CLN送達量の増大を図ったところ、CLN中WT1p濃度-時間曲線下面積が溶液投与に比べて約20倍高くなり、強力ながん免疫誘導が期待できる結果が得られた。
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自由記述の分野 |
生物薬剤学、DDS
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アジュバントと共に皮下注射するこれまでのがんペプチドワクチン療法では、アジュバントの影響でがん応答性が惹起されたT細胞がワクチン接種部位に留まる、あるいは血液中から逆戻りするとの報告があり、臨床試験の成績不良の原因とされているが、本研究で得られたがんペプチドの鼻腔内投与では、ペプチドを直接頸部リンパ節に送達することにより、アジュバントを用いずに免疫が誘導でき、また、投与剤形を粉末とすることでペプチドの頸部リンパ節送達量を増大させることにも成功した。アジュバントの影響を避けることで継続的で強力な免疫誘導が得られ、また、アジュバントによる副作用及び注射の回避によるQOLの改善にも繋がる成果である。
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