研究課題
基盤研究(C)
ビタミンK類は生体に必要な栄養素の一つである一方で、細胞内でスーパーオキシドラジカルを産生し、酸化ストレスを引き起こすことで様々な腫瘍細胞に毒性を示す。このため、その毒性を増強させる化合物と組合わせることで、ビタミンK類が新たな抗がん剤として機能する可能性がある。本研究では、MRI造影効果とSOD様活性を有する低分子ニトロキシラジカルがビタミンK3の細胞毒性を増強させることを明らかにし、これらの化合物を組合わせた新規抗がん剤開発の可能性を示した。
生物物理
ビタミンKの腫瘍細胞に対する毒性は古くから知られており、これまでに様々なビタミンK類縁体が合成されている。しかしながら、癌治療の補助剤として使われる場合があるのみで、主要な抗がん剤として利用されていない。本研究はビタミンKの腫瘍細胞に対する毒性を増強させる化合物を見いだしたものであり、ナノ粒子化によるビタミンKの新たな抗がん剤としての可能性を示すことができた。