細胞表面のシアリル化糖鎖は癌化に伴い変化することが知られる。これまで、シアリル化N-型糖鎖の生合成に関わる制御因子として固形癌で上昇するGOLPH3とその上流のPI4KIIαを見いだした。しかし、どのようにPI4KIIαが糖鎖を制御するか不明点が多い。本研究により、インテグリンα3との複合体が特異的にシアリル化を制御することがわかった。さらには上皮細胞接着分子とインテグリンが複合体を形成し、細胞増殖・移動を調節すること、インテグリンの下流のFAKがシアリル化の調節因子であることが新たに示唆された。これらの研究結果は、シアリル化を制御する次世代の抗癌剤開発に新たな知見を与えると考えられる。
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