研究課題
本研究では細胞内フィラミンと細胞外コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸/ヘパラン硫酸(CS/DS/HS)-プロテオグリカンのクロストークについて明らかにし、それらの遺伝性骨・皮膚疾患の発症機序についても解明することを目的とする。今年度は、フィラミンA (FLNA)に変異をもつ粘液腫性心臓弁膜ジストロフィー患者由来の線維芽細胞を用いて、CS・DS・HSの二糖総量を調べた。健常人および患者由来の線維芽細胞における各糖鎖の二糖量については、患者由来の細胞で9%-20%倍程度増加していた。CSの生合成異常によって、心臓弁の形成異常を引き起こすという報告と併せて考慮すると、FLNAの変異によりCSの合成異常をきたし、結果として粘液腫性心臓弁膜ジストロフィーが発症するのではないかと考えられた。今後の解析が必要である。がんなどの特定の疾患によって影響を受けるmRNAとその発現量は、RNA-seq解析によって網羅的に解析ができる時代となった。正常細胞やがん細胞をモデルとして、RNA-seqデータを基に影響を受けるグリコサミノグリカン糖鎖をコンピューター上で予測するツールを共同で開発した。デルマタン4-O-硫酸基転移酵素 (D4ST/CHST14) をCRISPR/Cas9を用いてノックアウトマウスした。このノックアウトマウスでは、脊椎の形成異常、ミオパチー症状を呈し、筋肉組織においてはデルマタン硫酸の生合成にも異常をきたしていた。これらのことから、ヒトの筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群患者のモデルになりうることがわかった。これらの成果を踏まえ、国際誌に原著論文3報、総説を2報発表し、学会での発表を12回行った。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)
Frontiers in Cell and Developmental Biology
巻: 9 ページ: 709018
10.3389/fcell.2021.709018
巻: 9 ページ: 695021
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巻: 14 ページ: dmm048963
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巻: 12 ページ: 717535
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10.3389/fcell.2021.764781
https://researchmap.jp/read0209443
https://orcid.org/0000-0002-4641-1505
https://scholar.google.co.jp/citations?hl=ja&user=b0ZTepcAAAAJ