CDP-グリセロール(CDP-Gro)はグリセロールリン酸が糖鎖に導入される際の供与体となる。本研究において、CDP-Groがヒト細胞やマウス臓器にも存在することを初めて明らかにした。マウス臓器では特に肝臓においてCDP-Gro含有量が多く、また、癌細胞では正常細胞に比べてCDP-Groが多い傾向が見られた。さらに、CDP-Groの合成酵素としてPCYT2を同定し、グリセロール-3-リン酸とCTPからCDP-Groが合成されるという新たな代謝経路を発見した。また、PCYT2の発現抑制によりCDP-Groを減少させるとα-ジストログリカンにおけるラミニン結合性糖鎖の合成が亢進することを見出した。
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