研究課題/領域番号 |
19K07083
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
満間 綾子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (10467326)
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研究分担者 |
安藤 雄一 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)
下方 智也 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70612745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん薬物療法 / 職業性曝露 |
研究実績の概要 |
本研究では、がん薬物療法における抗がん薬曝露の実態を調査し、繰り返しモニタリングを行うことで、国内での閾値の設定や予防の根拠となるエビデンスを創出することを目的としている。当院外来化学療法室では、院内すべての点滴抗がん薬の外来投与を専任の医療者が担当している。年間10000件以上の実施にあたり、職業性曝露のモニタリングとして環境モニタリングと生物学的モニタリングの経年的実施を行う。 <環境モニタリング> 当院外来化学療法室での環境モニタリングを行うにあたり、モニタリングの手法、場所を絞り込んだ後に、抗がん薬曝露予防を目的とした機器導入、マニュアルの改訂・整備の現状を把握できている。閉鎖式薬物移送システム(closed system drug transfer device: CSTD) は、当院において抗がん薬のミキシングすべてには使用していない。揮発性抗がん薬にのみCSTDを使用している。これまでのモニタリング結果では既報に比べて汚染の度合いを示す測定値は低く、現状での手法により経時的にモニタリングを進めている。 <生物学的モニタリング> 外来化学療法室で実施する膀胱内注入後の抗がん薬曝露について、同意を得た患者および医療者の排尿より生物学的モニタリングを行う。ドキソルビシンの投与が予定されており、投与量、排尿回数など臨床薬理学的解析を加えて経時的変化を観察する予定であったが、治療対象者が乏しい状況が続いている。がん関連学会での情報収集を継続した。侵襲の程度が少ない新たな手法(唾液検体からの検出)では検体量の採取に時間がかかることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環境モニタリングは順調に推移している。昨年同様、生物学的モニタリングは対象患者が乏しい状況があった。新規薬剤の導入やCOVID-19により高齢患者など地元での治療ニーズが高い影響を考える。
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今後の研究の推進方策 |
生物学的モニタリングの対象となる泌尿器疾患の患者が減少している。新規薬剤の導入やCOVID-19による影響が考えられ、今後の増加は難しい状況である。研究代表者および研究分担者との討議を定期的に行っており、引き続き現状での研究の推進に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がWEB開催となった影響で見込み旅費は減少した。参加費は例年通り発生している。本課題は臓器横断的ながん医療に関わり、かつ対象は多職種の医療者である。情報収集、情報交換が重要であり、今後も有用な情報を得る機会となる学会、セミナーなどでの情報発信を継続する。
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