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2019 年度 実施状況報告書

好中球の貪食と細胞外トラップ形成における新規アクチン束化因子の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07084
研究機関岡山大学

研究代表者

阿部 匡史  岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (60423282)

研究分担者 竹居 孝二  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40322226)
山田 浩司  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80325092)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード細胞外トラップ / ダイナミン
研究実績の概要

in vitroでダイナミンとアクチン線維の反応を調べるために、野生型及び脂質結合部位に変異を持つダイナミンタンパクを定法に従い調製した。リコンビナントタンパクのアミノ末端にヒスチジンタグを融合し、このタグを用いて精製した。CBB染色でシングルバンドにまで精製したタンパクはGTPase活性を保持していることがわかった。変異体のGTPase活性は野生型と比較して顕著に低下しており、既報のとおりであった。また、アクチン線維を調製する際に使用する生理的イオン強度緩衝液がダイナミンのGTPase活性に影響がないことを確認した。続いてダイナミンとアクチン線維をin vitroで反応させ蛍光顕微鏡にて観察した。アクチン線維は、FITCにて蛍光標識したファロイジンで可視化した。ダイナミンが存在すると、架橋されたと考えられるアクチン線維が多数観察された。このアクチン線維の集合体は、ダイナミン野生型及び変異体の各存在下で観察された。電子顕微鏡にて、このアクチン線維の集合体の構造を詳細に観察すると複数のアクチン線維が同じ方向に配向しており、アクチン線維間には、ダイナミンと考えられるタンパク複合体が観察された。野生型と変異体との間に形態的な差は見られなかった。従って、ダイナミンーアクチン線維複合体をコンスタントに再現することができた。今後、この条件下でGTPase活性とアクチン線維束形成との関連を調べていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ダイナミンーアクチン複合体を効率よく再現する系を確立した。また、調製した複合体は電子顕微鏡観察においても安定にその構造が観察できた。サンプル調整に、問題がないことがわかったので、今後GTPを含むヌクレオチドの効果を調べていく予定である。

今後の研究の推進方策

精製タンパクを用いて、in vitroでダイナミンーアクチン線維複合体を効率よく再現することができた。複合体の構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて解析するために、サンプルの調製条件の検討に入った。クライオ電顕では、サンプルが比較的高濃度に必要である。今後、複合体の濃度を上げるため予備実験を重ねる予定である。また、HL-60細胞の培養及び免疫染色の条件設定の予備実験も開始した。今後この細胞を用いて、ダイナミンの局在、アクチン線維の動態を観察する。平行して、好中球細胞外トラップの効率的な誘導方法を探索する。

次年度使用額が生じた理由

今年度分経費は、効率よく執行できたので、残金が発生した。残金は次年度使用額として次年度予算と合わせて消耗品購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] ATP6AP2 variant impairs CNS development and neuronal survival to cause fulminant neurodegeneration.2019

    • 著者名/発表者名
      Hirose, T., Cabrera-Socorro, A., Chitayat, D., Lemonnier, T., Feraud, O., Cifuentes-Diaz, C., Gervasi, N., Mombereau, C., Ghosh, T., Stoica, L., Jeanne d'arc, AL.B., Yamada, H., Takei, K., Emiliani, V., Bennaceur-Griscelli, A., Schwartz, C.E., Nguyen, G., Groszer, M
    • 雑誌名

      J. Clin. Invest.

      巻: 129 ページ: 2145-2162

    • DOI

      10.1172/JCI79990

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] ダイナミン複合体による新規の膜切断機構:クラスタラーゼ・モデル2019

    • 著者名/発表者名
      竹居 孝二,山田 浩司,竹田 哲也
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 59 ページ: 255-261

    • DOI

      10.2142/biophys.59.255

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Initial phospholipid-dependent Irgb6 targeting to Toxoplasma gondii vacuoles mediates host defense.2019

    • 著者名/発表者名
      Lee, Y., Yamada, H., Pradipta, A., Ma, J.S., Okamoto, M., Nagaoka, H., Takashima, E., Standley, D.M., Sasai, M., Takei, K., Yamamoto, M.
    • 雑誌名

      Life Science Alliance

      巻: 3 ページ: e201900549

    • DOI

      10.26508/lsa.201900549

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 腎糸球体ポドサイトにおけるアンフィファイジン1の機能2019

    • 著者名/発表者名
      山田浩司, The Mon La, 竹田哲也, 阿部匡史, 淺沼克彦, 竹居孝二
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
  • [学会発表] 腎糸球体ポドサイトにおけるダイナミンイソフォームの局在と機能2019

    • 著者名/発表者名
      阿部匡史, The Mon La, 橘 洋美, 竹田哲也, 竹居孝二, 山田浩司
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
  • [学会発表] ダイナミン GTP アーゼはアクチン線維の束化と分散を機械的に制御する2019

    • 著者名/発表者名
      竹居孝二 , テ モン ラ, 阿部匡史, 竹田哲也, 藤原郁子, 成田哲博
    • 学会等名
      第57回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Amphiphysin 1 is important for actin cytoskeletal regulation with synaptopodin in glomerular podocytes2019

    • 著者名/発表者名
      The Mon La, Tadashi Abe, Masayuki Morita, Eizo Takashima, Tetsuya Takeda, Katsuhiko Asanuma, Takei Kohji, Hiroshi Yamada
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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