研究代表者は、マウスにおいて2日程度の絶食後にグルコースを自由摂取させると、再摂食直後の肝臓においてケモカインであるCXCL1の産生が亢進し、その結果好中球の浸潤を伴う一過性の肝傷害が生じることを明らかにした。また、再摂食直後には、内分泌因子FGF21の肝臓からの産生が亢進し、このFGF21が肝細胞からのCXCL1の産生を誘導している可能性が示唆された。一方、この絶食再摂食の栄養変化を繰り返し行っても肝傷害が悪化することはなかったが、未熟なT細胞の増加による胸腺の増大が観察された。すなわち、絶食再摂食という栄養変化が、T細胞を介する個体免疫に大きく影響する可能性が示唆された。
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