薬物誘発性不整脈は新規薬物開発コストの上昇の一因であり、新規薬物開発や臨床における安全性や社会的コストの面からも、薬物誘発性不整脈の正確な予測が必要とされている。従来の薬物誘発性不整脈の機序の説明では、薬物の副作用でIKr阻害により活動電位や心電図上のQTが延長することでTorsades de pointes(多型性心室頻拍)が発生するとしてきた。しかし、近年の多数の擬陽性の実例より、IKr阻害と薬物誘発性不整脈発生の危険性の関連性がそれほど高くないことが判明している。本研究では単純なIKr阻害だけでない新たな薬物誘発性不整脈の危険性の予測方法を提案することができた。
|