過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛、下痢、便秘を慢性的に繰り返す機能性消化管障害である。 TRPM8は、メントールの受容体として同定された冷感受性カチオンチャネルである。本研究では、幼少期の社会的敗北ストレスによって引き起こされるIBS様症状におけるTRPM8の役割を、WTおよびTRPM8KOマウスを用いて検討した。 幼少期社会的敗北ストレス負荷により、成熟後にIBS様の症状が確認された。TRPM8は大腸の感覚神経と脳のGABA作動性神経に発現していた。TRPM8は、IBS様症状に対して保護的な役割を担っていることが示唆された。TRPM8アゴニストは、IBS治療の魅力的な標的であると推定される。
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