研究課題
本研究では、新規に開発された非ペプチドで低分子のPACAP受容体アンタゴニストが、不安やうつ病などのストレス性精神疾患の新たな治療薬になりうる可能性を行動薬理学的手法などを用いて検討し、精神行動の改善効果が認められた場合には、その改善作用につながる脳領域や関わる分子を探求することで、精神的なストレスが病態を引き起こす発症メカニズムの手掛かりを見出すことを目指す。令和4年度は、下記の結果を得た。1)慢性的な精神的ストレスを負荷したマウス(慢性的社会的敗北ストレスマウス)を用いて、ストレス感受性マウスに対して既存薬等と新規PACAP受容体アンタゴニストの行動薬理学的な比較検討を行った。ショ糖嗜好性試験、社会性試験を実施した結果、PACAP受容体アンタゴニストは、単回投与でケタミンと同程度の持続的な抗うつ作用を有することが明らかになった。2)これまでにストレス感受性マウスにおいて空間認知機能ならびに物体認知記憶能の低下が報告されている。PACAP受容体アンタゴニストは、単回投与で、抗不安・抗うつ作用のみならず、認知記憶障害を改善する可能性が示された。また、これまでの結果をまとめ論文投稿や学会発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件) 備考 (3件)
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