ALSの原因である変異型SOD1を発現させたトランスジェニックマウスでは、運動神経に毒性SOD1分子種が蓄積し、運動神経が進行性に死滅する。近年、脳からの代謝物・老廃物の新たな排泄機構としてグリアリンパ系が注目されている。本研究では、脊髄内に毒性SOD1を微量注入し、そのクリアランスをウエスタンブロット法で評価 したところ、野生型 マウスに比べAQP4欠損マウスでは排泄遅延が起こることが示された。また、ALSマウスではAQP4の顕著な発現上昇と局在異常が観察され、脳実質でのタンパク質の排出遅延が示された。以上から、ALSマウスのグリアリンパ系では、一方向性の流れの障害と淀みの発生が示唆された。
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