本研究では、ライソシンEの抗菌活性を上昇させる宿主因子アポリポプロテインA-I(ApoA-I)の作用機序を詳細なステップについて明らかにすることに成功した。その結果から、ライソシンEは宿主因子と微生物因子の相互作用を利用して抗菌活性が上昇し、治療効果にも寄与していると考えられた。宿主環境下においてより高い活性を発揮するような化合物の報告はこれまでないため、ライソシンEは新しいクラスの抗菌治療薬であると判断できる。さらに、複数の抗菌化合物が様々な宿主因子によって活性が増強されることを明らかにし、本現象がライソシンEだけにとどまらないことを見出した。
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