研究課題
基盤研究(C)
本研究では、約4000株の遺伝子破壊出芽酵母株を用いたケミカルジェネティクスのアプローチにより、カンゾウ、オウレン、オウゴンエキス感受性株を選抜し、その変動パターンを解析した。その結果、これらの生薬エキスは代表的な薬剤とは異なる経路に作用しており、各生薬エキスの高感受性株の遺伝子の機能や細胞内局在は多岐にわたり、また生薬エキスにより特徴的であることが明らかとなった。
生薬学
本研究は、ケミカルジェネティクス的手法を用いて生薬エキスが約4000の遺伝子群に与える影響を網羅的に解析する初の試みである。本研究により、生薬エキスにより与える遺伝子群は複雑かつ多岐にわたるとともに、一部では共通する部分も見られた。今後、より詳細な検討を要するが、本研究が、生薬・漢方エキスなどの多成分系薬物の作用機序解明の一助になり得ると考える。