次世代シークエンサーを用いて、生薬のミトコンドリアDNAを分析することにより、動物生薬の基原動物種を推定する方法を開発した。本法は、2種類の生薬混合物において、少なくとも5%のmtDNAが含まれている場合、マイナー成分を検出できた。これは、生薬の正規品に類似品(基原動物が異なる)が混合した場合に有用である。また、市販されている動物由来生薬が主成分の漢方製剤では、おおよその組成(含有している動物種)を把握できた。一方、安価で持ち運び可能な小型次世代シークエンサーであるMinIONでも本法を適用できたことから、生薬の原産地(フィールドワーク)でも検査が可能になると考えられた。
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