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2019 年度 実施状況報告書

血中濃度測定によるエルトロンボパグの適正使用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K07158
研究機関筑波大学

研究代表者

本間 真人  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードエルトロンボパグ / 特発性血小板減少性紫斑病 / 血中濃度 / 治療薬物モニタリング / HPLC
研究実績の概要

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に用いるトロンボポエチン受容体作動薬のエルトロンボパグ(EPAG)の血中濃度と効果(血小板:PLTの上昇)、副作用(主に肝機能障害)との関連を調査するために、EPAGの血中濃度測定法の開発を開発し、治療薬物モニタリング(TDM)への応用を試みた。
EPAGの血中濃度測定は、従来、高性能液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー(LC-MSMS)で行われてきたが、本装置は高額であり、日常診療を行う一般病院での汎用性が低い。本研究では、汎用性の高い紫外線検出器を備えた高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてEPAGの血中濃度測定法を開発した。今回開発したHPLC法では、血漿試料の前処理はアセトニトリルによる除タンパク操作のみであり、遠心分離後の上清を直接逆相HPLCに注入して分析する。分析カラムには汎用されるODSカラムを用い、検出波長を265nmに設定した。1回の分析時間は10分以内であり、感度の点ではLC-MSMSに劣るものの精度と再現性はほぼ既報のLC-MSMSと同等であることを確認した。本法を、EPAG治療を受けているITP患者における血中EPAG濃度モニタリングに適用し、TDMに利用できることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度の途中で分析装置のHPLCが故障したため、血液検体の分析が滞っている。当該装置について修理を依頼したが、発売終了から10年が経過しているため修理に必要な部品が調達できず修理不能であることが判明した。現在、検体測定を一時中断している。2020年度の早い段階でHPLC装置の更新を行い(6月を予定)、研究を継続する予定である。なお、ITP患者とは別に新たに適用が追加され使用が開始された貧血患者の血液試料は順調に収集が進んでいる。

今後の研究の推進方策

血中エルトロンボパグ(EPAG)濃度の測定方法(HPLC-UV)は完成しており、現在、論文として投稿中である。分析装置のHPLCが故障しているが、2020年度の早い段階で更新を行い(6月を予定)研究を継続できる見込みである。本年度は、ITP患者の血液検体に加えて、貧血患者の検体の収集を進め、開発したHPLC法の適用を確認するとともに、可能な限り多くの患者データを収集し、血中EPAG濃度の有効治療域を設定する研究を展開したい。

次年度使用額が生じた理由

2019年度に分析装置のHPLCが故障したため、検体測定を一時中断している。本年度の助成金に加えて2020年度に分配される助成金も使用してHPLC装置を更新し、研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 特発性血小板紫斑病患者における血清エルトロンボパグ濃度が肝障害発現に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      柳町直哉、小原直、横山泰久、錦井秀和、坂田麻美子、長谷川雄一、大越靖、千葉滋、土岐浩介、本間真人
    • 学会等名
      第81回日本血液学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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