CYP3A5欠損マウスとCYP3A5発現マウスは、全ヒトCYP3A遺伝子が導入されており、CYP3A5遺伝子の一塩基のみが異なることからヒトのCYP3A5遺伝子多型を反映するモデルといえる。タクロリムスのインビボ代謝におけるCYP3A5の関与が検出できたこととCYP3A5発現マウスでは肝、小腸、腎臓、肺にCYP3A5が発現していることから薬効、毒性研究への発展が期待できる。また、本研究で構築した研究手法は、既存の医薬品だけでなく、開発化合物にまで応用することが可能であり、医薬品の開発の促進にも貢献できるうえ、臓器内濃度の測定など、臨床試験では実施が困難な情報を取得できる点で社会的意義も高い。
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