研究課題/領域番号 |
19K07166
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鬼木 健太郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (00613407)
|
研究分担者 |
猿渡 淳二 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (30543409)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | メタボリックメモリー / modeling / simulation / HbA1c / 糖尿病性腎臓病 / 微量アルブミン尿 |
研究成果の概要 |
本研究では、メタボリックメモリーの観点から糖尿病合併症発症に関わる因子について検討し、以下の知見を得た。 1).持続的な高血糖状態をHbA1c曲線下面積で表現し、その増加が腎機能低下に関係することを明らかにすることで、糖尿病患者では曝露された高血糖の程度や期間の重要性を示した。2).HbA1c変動の指標として「HbA1c-時間曲線下面積(HbA1c-AUC)」を新たに考案し、HbA1c-AUCが、平均HbA1c値と独立して2型糖尿病患者の微量アルブミン尿発現に関係することを明らかにした。また、HbA1c変動が大きい患者の血清アルブミン酸化度は高く、酸化ストレス状態が関係していることを示唆した。
|
自由記述の分野 |
臨床薬理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本検討では、血糖値の築盛効果と変動効果の両方について検討し、メタボリックメモリーの定量的評価を腎機能低下との関連性の観点から証明した。本研究結果から、曝露された高血糖の程度や期間並びに変動の重要性が示され、合併症発症・進行における詳細な病態生理機序の解明や、合併症予防のための個別化治療目標の設定等に繋がることが期待される。また、HbA1cの変動については、生活習慣の乱れやアドヒアランス不良、HbA1cの季節変動、治療薬の変更に起因すると考えられる。今後、変動が大きい患者に積極的介入を行うことで、糖尿病性腎臓病発症予防につながることが期待される。
|