研究課題/領域番号 |
19K07169
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
岩尾 康範 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (30433022)
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研究分担者 |
近藤 啓 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10825110) [辞退]
木村 晋一郎 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20791338) [辞退]
稲井 誠 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20621626)
菅 敏幸 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10221904) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | バイオフィルム / イオン液体 / ミセル |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究は、口腔内細菌が形成するバイオフィルムを破壊し、歯周病罹患を予防するため、バイオフィルム破壊能を有するイオン液体と抗菌薬を、バイオフィルム近傍に特異的に送達できる浸透性・付着性に優れたミセルに内封させた製剤を開発し、新規洗口液としての可能性 を追求するものである。本年度は、昨年度見出した新規イオン液体1-ethyl-3-methylimidazolium geranic acid /抗菌剤ミセルのin vivo治療効果を検討した。【実験方法】ミセル調製は転相乳化法により行った。基本処方として、水/非イオン性界面活性剤Tween 80/Tween 20/ethanol/陽イオン界面活性剤塩化ベンザルコニウム/1-ethyl-3-methylimidazolium geranic acid(75%/5%/4%/3%/3%/10%)を混合、さらに抗菌薬クラリスロマイシン (CAM)を混合し、CAM内封したミセルを作製した。歯周炎モデルマウスは歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisを染みこませた絹糸を、C57BL/6マウス (雄性6週齢) の上顎右側第2 臼歯の歯肉溝に結紮し作成した。調製したミセルを1週間塗布した後に屠殺し、口腔内バイオフィルム形成量を測定した。また、炎症性サイトカインIL-6、IL-8、TNF-α産生量の測定、歯肉・歯槽骨組織の免疫組織学的検討を行った。【結果】歯周炎モデルマウスを用いた検討から、本ナノミセル1週間処置により、口腔内バイオフィルム量が約1/3まで減少することが明らかとなった。加えて、炎症性サイトカイン産生量を有意に減少させることが明らかとなった。以上の結果から、本ナノミセル処置により優位に口腔内バイオフィルムを除去し、治療効果を得られる可能性が示唆された。
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