研究課題/領域番号 |
19K07172
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
平 郁子 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (60453693)
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研究分担者 |
石田 功 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00415556)
平 裕一郎 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (20581953)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 嫌気性菌 / 遺伝子組み換え微生物 / サイトカイン / 抗腫瘍効果 |
研究実績の概要 |
EPR(Enhanced Permeation and Retention)効果により、血管内に投与されたビフィズス菌( Bifidobacterium longum )は腫瘍組織に集積することが知られている。また、腫瘍内には低酸素領域が存在し、嫌気性菌であるビフィズス菌は低酸素領域で増殖可能なため、静脈内投与されたビフィズス菌は腫瘍組織に集積し、増殖する。 我々はこの現象を利用し、イムノトキシンやTNF-αといった抗腫瘍タンパク質を発現・分泌するよう遺伝子組換えしたビフィズス菌を、ドラッグデリバリーキャリアとして静脈内投与することで、高い安全性をもって抗腫瘍効果が得られることをすでに報告している(特許第6176683号)。 2021年度は、TNF-α分泌発現ビフィズス菌の抗腫瘍効果において宿主の免疫機能の関与を検討した。抗CD8抗体によるCD8陽性細胞枯渇マウス個体(Nat Med. 2016; 22(12): 1402-821; 1410.)に対する投与実験の結果、陰性対象としたnIgG投与群と比較してTNF-α分泌発現ビフィズス菌の抗腫瘍効果は大きく減弱され、本組換え菌の抗腫瘍効果は宿主の細胞障害性T細胞による殺細胞活性が関与していることが分かった。このことは、宿主の腫瘍に対する免疫機能の増強により本組換え菌の効果が増強される可能性を示すものである。 また、2020年度までに確立した人体への安全性の高いビフィズス菌培養液を、腫瘍由来の培養細胞との共培養、培養上清中の分泌蛋白質の標的分子結合検証などに応用し、組換えビフィズス菌からのリコンビナント分泌蛋白質のin vitro活性測定系の構築を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TNF-α分泌発現ビフィズス菌の抗腫瘍効果について、in vivoで宿主免疫機能の関与を明らかにすることができた。また、ビフィズス菌分泌蛋白質のin vitro活性測定系として、独自のビフィズス菌培養液を応用できる可能性を見出した。これは、MRS培地等の従来のビフィズス菌の一般的な培地に含まれる夾雑物により困難であった、ビフィズス菌が産生する生理活性物質の活性測定を容易にするものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は引き続きTNF-α分泌発現ビフィズス菌の抗腫瘍作用の解析および抗腫瘍効果の増強のための併用薬の検討を行う。また組換えビフィズス菌の分泌蛋白質のin vitro活性測定系の構築を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、使用した額で十分なデータが得られたため。 2022年度は複数のin vivo動物試験を予定しており、実験動物および併用薬の購入費用として使用する。また、in vitroでのリコンビナント蛋白質活性測定のための試薬類の購入費用として使用する。
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備考 |
帝京平成大学薬学部薬学科 生体防御教育研究部門 抗体・DDSユニット https://pharm.thu.ac.jp/research/unit/dds.html
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