本研究ではエンテロイド(小腸組織培養系)を用いる物質輸送実験系を確立してトランスポーターの機能評価へ応用することを目的とした.蛍光物質をエンテロイド内腔に取り込ませた後,画像解析ツールを用いて自動輪郭決定する方法を改良した.蛍光顕微鏡のフルフォーカス明視野画像の濃淡を二値化,自動選択により輪郭を決定した後,この輪郭を蛍光画像に当てはめて蛍光強度を算出することにより,輪郭全体を捉えることができた.この際,膜不透過性の蛍光試薬をエンテロイド内腔に注入するマイクロインジェクション法の技術をを考案した.これにより,内腔と細胞層との境界を客観的に区別しながら解析することが可能となった.
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