本研究は、神経保護作用を有する抗パーキンソン病治療薬の臨床開発候補化合物となる新規メロキシカム誘導体を見出すことであった。これまでパーキンソン病モデルマウスにおいて2つの有望な化合物を見出しているが、神経保護効果と脳内移行性の改善が必要であった。そこで新規に合成された40以上の化合物を調べたが、元々の2化合物以上に改善した臨床開発に相応しい化合物は得られなかった。一方、元の化合物を投与したパーキンソン病モデルの脳切片を検討したところ、パーキンソン病で傷害される脳部位の神経細胞死が著明に保護されていた。本結果は、メロキシカム誘導体のパーキンソン病進行抑制治療薬の有力な候補であることが示された。
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