研究課題/領域番号 |
19K07189
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
永田 将司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (40412829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 副作用 / 血糖値 / パリペリドン / アドレナリン |
研究実績の概要 |
非定型抗精神病薬による血糖値異常のメカニズムを明らかにするために、以下の検討を行った。 令和元年度は、0.5 mg/kgの投与量でパリペリドンを投与した際、投与後60分以降の血中パリペリドン濃度を測定限界の問題で検出することができなかったため、血中濃度と血糖値の時間経過を記述する速度論モデルを構築することができなかった。そこで、より低濃度のパリペリドンを測定するためのLC-MSMSによる測定法の開発を行い、1 ng/mLまでのパリペリドン血中濃度測定を行うことが可能となった。 次に、ラットにパリペリドンを単回静脈内投与したところ、0.4 mg/kg以上の投与量で血糖値および血中アドレナリンの上昇が認められた。一方、0.2 mg/kgの投与量では血糖値およびアドレナリンの上昇は認められなかった。また、観察されたパリペリドンの血中濃度は、ヒトにおける治療レベルの血中濃度を包含するものであった。以上の結果より、パリペリドン単回投与による血糖値上昇には、これまで我々の研究室で示した他の非定型抗精神病薬(オランザピン、クロザピン)と同様、アドレナリンが関与していることが示唆された。さらに、パリペリドンの治療域でも血糖値を上昇させる可能性があることから、パリペリドンをヒトに投与する際は注意深い血糖値モニタリングを行う必要があると考えられた。 現在は、パリペリドンによる血糖値上昇がアドレナリンによるものかを確かめるべく、β遮断薬であるナドロールをパリペリドンと併用した際の血糖値変化を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パリペリドンの血中濃度と血糖値の時間経過を記述する速度論モデルの構築を目指したが、投与終了初期にパリペリドン血中濃度が検出限界以下になってしまったため、令和元年度におこなったHPLC-UVの測定系では血中濃度を十分測定することができなかった。 そこで令和2年度はパリペリドン血中濃度の測定にLC-MSMSを用い、さらに低い濃度まで測定できる測定系を開発したため、研究の進行がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
血中濃度測定の課題が克服されたので、当初の研究計画に従い研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
パリペリドンの血中濃度と血糖値の時間経過を記述する速度論モデルの構築を目指したが、投与終了初期にパリペリドン血中濃度が検出限界以下になってしまっ たため、開発したHPLC-UVの測定系では血中濃度を十分測定することができなかった。 新たな測定系を確立するまで、動物実験を中止したため、余剰金が生じた。 現在は新規則提携を確立したため、計画通りに動物実験を再開している。
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