本研究成果によりSTAT3遺伝子多型とmTOR阻害薬による間質性肺疾患との関連を明らかにし、STAT3遺伝子多型が間質性肺疾患の事前予測因子となる可能性を示した。この関連が詳細に検証され、検査として臨床応用された場合、本研究成果は分子標的型抗がん薬による間質性肺疾患の死亡者数の減少やmTOR阻害薬治療患者のQOLの向上に加え、mTOR阻害薬の治療成績の向上にも寄与する。また、mTOR阻害薬の長期曝露により生じる組織線維化の初期過程に寄与する分子を特定した。この分子の間質性肺疾患の発症における役割を詳細に解析することで、間質性肺疾患のメカニズムに基づく予防法を確立することができる。
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