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2021 年度 実績報告書

妊娠高血圧腎症の治療薬はベバシズマブの薬効を減弱するか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K07207
研究機関東京薬科大学

研究代表者

恩田 健二  東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50318185)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード血管新生阻害薬 / 抗腫瘍効果 / 高血圧 / プロトンポンプ阻害薬
研究実績の概要

2021年度は、妊娠高血圧腎症に対し治療薬候補として研究報告されているエソメプラゾール((Hypertension. 2017;69:457-468)による影響を担癌マウスで検討し、血管新生阻害薬とエソメプラゾールの個体レベルでの薬効評価を行った。
ヒト乳癌細胞(MDA-MB231-Luc)を6週齢メスヌードマウス(BALB-c nu/nu)背部皮下に接種した担癌マウスに、血管新生阻害薬であるアフリベルセプト(10 mg/kg)およびエソメプラゾール(10 mg/kg)をそれぞれ単独及び併用投与し、血圧と腫瘍の大きさに基づく発光強度を経時的に測定した。結果として、アフリベルセプトの腹腔内投与により、収縮期、拡張期血圧及び、平均動脈圧は有意に上昇したが、エソメプラゾールの併用投与は血圧を低下させた。さらに、生体イメージングの結果、接種した腫瘍細胞に基づくルシフェラーゼの発光強度は、アフリベルセプトの投与により有意に低下したが、エソメプラゾールの併用群ではアフリベルセプト単独群に比べ高値であった。
以上の結果から、今回の担癌マウスモデルにおいて、エソメプラゾールは、アフリベルセプトによる血圧上昇効果と抗腫瘍効果を減弱することが示された。この結果は、癌治療に使用される血管新生阻害薬に制酸薬であるプロトンポンプ阻害薬が併用された場合、血管新生阻害薬の抗腫瘍効果が弱まる可能性を意味する。血管新生阻害薬とプロトンポンプ阻害薬の併用症例は多く存在するため、臨床研究による検証の蓄積が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Preeclampsia-like syndromeに対するプロトンポンプ阻害薬の影響に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      恩田 健二 太田 和寛 潘 辰 海老名 一樹 横澤 芽依 川上 真理子 平野 俊彦
    • 学会等名
      第29回日本胎盤学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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