研究課題
1.GPR40Tgラット:ラットGPR40BACプロモーター/ヒトGPR40Tgラット:これまでGPR40受容体の過剰発現は機能亢進と関連することが報告されているが、Tgマウスでの報告ではインスリンなど主に膵臓関連プロモーターを用いたものがあるだけで、腸管など他臓器での過剰発現モデルはなかった。ラットGPR40プロモーター下にヒトGPR40を過剰発現させたTgラットを作成済であり、「遺伝性全身性機能亢進(アゴニスト的)状態」での表現型が解析可能と考えられる。このGPR40Tgラットにおける糖負荷試験を検討を行ったところ、糖代謝調節に関与する可能性が示された。2.国立循環器病研究センター(国循)バイオバンクに保管のヒト試料を用いた検討:糖脂質代謝を含む豊富な臨床情報を有する国循バイオバンクに保管のヒトゲノムDNA試料を用いてGPR40のゲノムを解析し、糖脂質代謝との相関を検討する。このテーマについて、倫理申請の準備を行った。3.GPR40アゴニスト(TAK-875)を用いた腸管内分泌細胞など培養系の実験:これらの実験で難渋したときの可能性を考え、培養系でも解析を行う。TAK-875は武田薬品工業によって開発されたGPR40特異的アゴニストで市販されており、これらは十分な量を入手済みである。STC-1(腸管インクレチン分泌細胞 )、3T3L1(脂肪細胞)などの細胞培養系にて、経時的に分泌(腸管内分泌細胞)または脂肪分解・合成(脂肪細胞)に関与する遺伝子の発現の変化などを検討する。施設そのものの移転があったが、実験については生化学部のほか、バイオバンク区画内での実施環境を整備した。