研究実績の概要 |
2015年1月1日から2022年12月13日までのDPC対象医療機関のDPCデータベースであるMDV analyzer(Medical Data Vision株式会社)に登録されている患者のうち、0歳から15歳で、かつICD-10コードのF20(統合失調症)、F21(統合失調症型障害)、F22(持続性妄想性障害)、F23(急性一過性精神病性障害)、F24(感応性妄想性障害)、F25(統合失調感情障害)、F28(その他の非器質性精神病性障害)、F29(詳細不明の非器質性精神病)のいずれかの傷病名を付与されている外来患者に対する、統合失調症の適応を有する経口薬剤の処方率を調査した。 2022年の小児外来患者は619,044名であり、そのうち、統合失調症関連の傷病名が付与されていた患者は1,575名(0.25%)、統合失調症の適応を有する経口薬剤が処方されていた患者は1,170名(0.19%)であり、統合失調症関連の傷病名を付与されている小児外来患者の7割以上に対して、薬剤が処方されていた。最も多く処方されていた薬剤はアリピプラゾールであり(53.2%)、次いで、リスペリドン(44.2%)、クエチアピンフマル酸塩(11.2%)、オランザピン(5.9%)の順であった。 統合失調症の適応を有する経口薬剤の処方推移を調査した結果、2015年に64.3%と最も多かったリスペリドンの処方は、2022年には44.2%と減少傾向を認め、2015年に2番目に多かったアリプラゾールの処方(29.3%)は、2022年には53.2%と増加傾向を認めた。クエチアピンの処方は2015年から2022年にかけて9.0%から11.2%とほぼ横ばいで推移し、2015年に4番目に多かったハロペリドールの処方(4.6%)は、2022年には1.6%と減少していた。
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