研究課題/領域番号 |
19K07218
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 真貴子 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (70461168)
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研究分担者 |
藤尾 慈 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (20359839)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際共同研究 / 循環器疾患 / 民族差 |
研究実績の概要 |
本事業において、心不全患者に用いられるβ遮断薬投与量の日米間比較及びワルファリン投与量予測式に関する国際間比較を行うための基盤構築を目的として、β遮断薬については、カリフォルニア大学と国際共同臨床研究を推進した。開始早々実施計画書を倫理委員会に提出し、5月末に相互の倫理委員会の承認を得た。ワルファリン投与量予測式研究については、対象患者の患者ケアの状況によって薬剤に与える影響がことなることより、現在は、国内患者を対象として、患者情報収集及び精査を行っている。 共同臨床研究(後方視的観察研究)において最も困難な点は、各施設の患者データの質及びデータの抽出方法次第で、単純に比較することが不可能となる場合があり、相互のデータを定期的に研究者が相互確認し、データ抽出条件及びデータの質の管理等、十分なデータマネージメントを行った上で、実現及び継続可能性を踏まえたプロトコルの軽微な修正等を加えながら研究を進めることができた。このことは、実際に相互の施設を訪問し、状況の説明と理解を得た上で成されることであり、各施設の研究環境に対する研究者の理解を得るためには、Web会議などではクリアできる問題だけではないことも明らかとなったと思われる。また、本年度は、今後の国際共同研究を推進する際の格差・医療体制の相違点を把握する上で重要な情報収集を行うことができたことは大きな成果の一つと考える。 海外で収集された患者情報を確認したが、昨年12月末に2500症例以上の新たな症例が加えられたことにより、現在、それらの患者のデータ精製中である。日本人データも同様の数(約3000例)より、除外基準に基づき現在、情報の精査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者情報収集は進んでいるものの、収集する情報量が多いこと、医療情報部からの一括収集には、信憑性を欠けるものがあることより、1例ずつ医療情報を精査していることより、予定よりも多くの時間を要したものの、概ね、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末からの新型コロナウィルスの影響で、β遮断薬に関する研究については、研究者の出張、招聘が一部中止になっているが、引き続き各施設において研究を継続しており、定期的なTeleconferenceを続け、国際学会での発表等の成果報告に向け相互に準備中である。 ワルファリン投与量予測管理については、患者情報収集を共同研究者等と共に継続中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末からの新型コロナウィルスの影響で、海外出張、海外研究者の招聘をキャンセルした。また、試薬などの購入について、海外からの輸送の関係から、購入不可能となった試薬等もあり、次年度使用額が生じている。 今後、当該ウィルスの影響が収まり次第、Face-to-Face面談等を実施開始する予定である。
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