本研究では光毒性の発症機序である化学物質の光反応性および皮膚内動態評価を基盤とし,特に動物実験に依存しない光安全性評価系の開発を目指した.皮膚内動態評価の動物実験代替法として,摘出皮膚を用いた in vitro 皮膚透過性試験を導入することで,実験動物数の削減をしつつ,光反応性評価の結果と組み合わせることで信頼性の高い化学物質の光安全性評価が可能であった.また,摘出皮膚の代替として人工膜による皮膚内動態評価法の確立を示唆する結果も得られた.開発した光安全性評価系は医薬品・化粧品開発における光安全性評価および動物福祉に寄与することができ,国民の健康と医療・産業の発展に貢献できるであろう.
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